愛犬のアレルギー用ドッグフードで市販の良いものがないか、お悩みのあなたへ。
アレルギー対策ができるドッグフードを選ぶときには、選び方が大事だとご存じでしたか?
私は最初、アレルギー用と書いてあれば大丈夫だと思っていましたが、それは間違った思い込みだったのです。
なぜなら、アレルギー対策にはタンパク質、オメガ3脂肪酸、腸内環境サポート、添加物など注意すべき点が多数あり、それを満たしていないドッグフードも多いからです。
上記のアレルギー対策の必要性から、市販のドッグフードではなくしっかりと構成を考えられたドッグフードを選ぶのがおすすめです。
当記事では、犬のアレルギー対策ドッグフードの選び方から、本当に市販のフードではダメなのか、アレルギーがある子に素材別のドッグフードの選び方までお伝えします!
犬の食物アレルギー用フードの選び方
犬のアレルギー性皮膚炎は大きく3つに分けられます。
- 食物アレルギー性皮膚炎
- アトピー性皮膚炎
- ノミアレルギー性皮膚炎
食物アレルギーの疑いがある場合、食物アレルギー用ドッグフードを選び、症状を少しでも緩和させてあげたいですよね。
食物アレルギーがある場合のドッグフードの選び方は5つです。
- 単一たんぱく源で原材料が最低限
- 人口の添加物が含まれない
- 消化しやすい
- オメガ3・オメガ6が含まれる
- 不明な材料がない
1.単一たんぱく源で原材料が最低限
食物アレルギーを引き起こす原因になるのは牛肉、乳製品、小麦、鶏肉、鶏卵、ラム肉、大豆などです。
通常のドッグフードに含まれている原材料が多いのですが、何がアレルゲンになるのかはその子によって違います。
メインのタンパク質がひとつのシンプルな原材料のドッグフードを選びましょう。
反応を見ることで、改善した場合は「以前のドッグフードにアレルゲンが含まれていた」、改善しない場合は「切り替えたドッグフードにもアレルゲンが含まれている」と原因を予想しやすくなります。
さらに、ワンちゃんにとってアレルゲンになりやすい原材料には、小麦、大豆、とうもろこし、じゃがいもなどがあるため、シンプルな構成でアレルゲンになりやすい原材料を避けたドッグフードがおすすめです。
2.人口の添加物が含まれない
ドッグフードに使用される着色料、香料など人工添加物も食物アレルギーの原因になると言われます。
赤〇号、青〇号などの着色料、グリシリジン、アンモニエートなどの甘味料などは避けた方が良いでしょう。
品質を保持するのに欠かせない酸化防止剤も、ミックストコフェロール(ビタミンE)、ローズマリー抽出物などの天然由来成分のフードを選ぶのがおすすめです。
3.腸内環境サポート
腸内には多くの免疫細胞が存在しているため、アレルギー対策には腸内環境を健康に保つことが重要です。
ドッグフードに複数の腸内環境をサポートする成分が含まれていると、消化吸収にも役立ちます。
乳酸菌、オリゴ糖などが配合されているドッグフードを選びたいですね。
4.オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸が含まれる
アレルギー症状からの皮膚トラブルには、アレルギーやアトピー症状の緩和に役立つオメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸が配合されているドッグフードがおすすめです。
オメガ3はDHA、EPAなど、オメガ6はリノール酸、アラキドン酸などを指しますが、一緒に摂取することで効果が発揮されるため、両方入っているのが望ましいですね。
5.不明な原料がない
ドッグフードの表記を確認すると、「天然風味」「天然フレーバー」「動物性油脂」といった香料が使用されているのが多いことに気づきます。
原材料である肉や魚の煮汁などを利用していることが多いですが、実際の原料はメーカーに問い合わせないとはっきりしません。
また「肉副産物」「家禽類」「家禽ミール」「ミートミール」など、総称で表記してもよいとされている原料もあります。
アレルギーがあり、厳密に原料を選びたい子には不向きと言えます。
アレルギーがある場合、不明な原料は含まれていないことが安全につながるので、原材料がすべて公開されているドッグフードを選びましょう。
ここまで食物アレルギーがあるワンちゃんのドッグフードの選び方を見てきました。
ドッグフードには、高価なものから安価なものまで多くの種類がありますが、いつでも買える市販のドッグフードを希望する方も多いですよね。
次に、市販の犬用アレルギードッグフードのおすすめをご紹介します。
市販の犬用アレルギー用ドッグフードおすすめは?
市販の犬用アレルギードッグフードでは、食物アレルギーによる皮膚や消化器症状に特化した療法食であるロイヤルカナンが有名です。
アレルギー対策ができるロイヤルカナン製品には、ミニダーマコンフォート、犬用低分子プロテインドライがあります。
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ミニダーマコンフォートはバリア機能をサポートするため、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸が配合されています。
犬用低分子プロテインドライは、加水分解大豆タンパクを使用し、EPA/DHAを配合した製品で、食事療法食になるため、獣医の指示のもと使用する製品です。
市販で購入できるアレルギー用ドッグフードの中では、長年の研究をもとに製造されているロイヤルカナンは信頼できるメーカーです。
ただ原材料を確認すると、2製品ともに米が最も多く配合されていたり、「動物性油脂」が使用されています。
ミニダーマコンフォートはグレインフリー、小麦グルテンフリーではないため、とにかく原材料にこだわって選びたい方には不向きと言えるでしょう。
市販のフードの中で対策したい、そこまで厳密に原材料にこだわらないという方にはおすすめです。
犬のアレルギー対策ができるドッグフードを素材別に紹介
犬のアレルギー対策ができるドッグフードを、素材別にご紹介していきます。基準は次の通りです。
- 単一たんぱく源で原材料が最低限
- 人口の添加物が含まれない
- 腸内環境サポート
- オメガ3・オメガ6が含まれる
- 不明な材料がない
アレルギー対策ができるドッグフードの選び方でご紹介した基準をもとに、ドッグフードを選んでいます。
実際にワンちゃんに長く与えることを考えると、栄養バランスの方よりもアレルギーや皮膚症状の悪化につながるため、総合栄養食のフードから選択しました。
まずはアレルゲンになりやすい肉類がアレルゲンのワンちゃんのために、魚がメインのドッグフードをご紹介します。
1.魚メインのドッグフード
魚メインのドッグフードはプラペ!サーモン&ほうれん草と金虎おさかながおすすめです。
プラペ!サーモン&ほうれん草
プラペ!サーモン&ほうれん草は、サーモンだけの単一タンパク質でグレインフリー、善玉菌が配合されており、アレルギーに配慮した構成のドッグフードです。
- 動物性たんぱく質はサーモンを65%使用
- グレインフリー
- 人口添加物は不使用
- 免疫強化に役立つヌクレオチドを配合
- 善玉菌プロバイオティクス配合
- オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸=1.2%:2.6%
プラペ!は、鴨やラムなど、肉類もアレルゲンになりにくい食材をメインにしているフードが選べるため、フードローテーションもしやすいのが嬉しいですよね。
5kgの成犬で計算すると、1日あたり171円とコスパが良いため、長く続けられますよ。
金虎おさかな
魚アレルギーの中には、サーモンがダメなワンちゃんも。そんなワンちゃんには金虎おさかながおすすめです。
魚がメインのドッグフードだと、サーモンや多種類の魚がミックスされたものが多い中、金虎おさかなはマグロ、カツオの2種類に絞られるため、おすすめに選びました。
- 動物性たんぱく質はマグロとカツオ
- グレインフリー
- 人口添加物は不使用
- 食物繊維で腸内環境に配慮
- ノンオイルコーティング
- 主要アレルゲンを排除した自社工場で製造
金虎おさかなは、アレルゲンを徹底的に排除するため、わざわざ自社工場を設立してドッグフードを製造しています。製造過程に不安なく、ドッグフードを与えられるのは大きなメリットですよね。
オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸の配合量は公開されていないのですが、魚がメインのため、DHAやEPAが豊富に含まれています。
原材料がシンプルなため、アレルゲンが多くて食べられないフードが多いワンちゃんは、ぜひ一度試してみると良いでしょう。
1000円(税込)でお試しできるため、愛犬に合うかどうかを試しやすくなっていますよ。
2.鶏肉アレルギーの場合のドッグフード
鶏肉アレルギーの場合は、肉類がメインのフードを選ぶことに不安があるかもしれません。
ターキー(七面鳥)は、基本的にアレルギーを誘発する抗原がチキンとは違うため、食べられるワンちゃんもいます。ただ種として鶏肉に近いため、ターキーでもアレルギーを起こす可能性も。
ダック(鴨)は、鶏肉やターキーとは異なるグループのため、アレルギーを起こす抗原も違いますが、必ずアレルギーを起こさないとも言い切れないため、最終的には与えてみるしか確認方法はありません。
ここでは、ターキーやダックではない種類のラムや馬肉がメインのドッグフードを選んでいます。
アランズナチュラルドッグフードラム
アランズナチュラルドッグフードラムは、動物性タンパク質にラム肉を使用し、原材料がたった9種類とシンプルな構成のドッグフードです。
- 鶏肉不使用
- ラム肉がメインで、合計9種類の素材で構成
- 穀物、乳製品、牛豚肉は不使用
- オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸=1.47%:1.31%
- 人口添加物は不使用
アレルギーに配慮し、穀物、乳製品、牛豚肉は不使用、人口添加物も使用していないため、鶏肉アレルギーのワンちゃんにぴったりです。
鶏肉は食べられないけれど、栄養たっぷりのラム肉でタンパク質を摂取できます。
自然素材にこだわった『アランズ ナチュラルドッグフード ラム』
自然素材にこだわった『アランズ ナチュラルドッグフード ラム』
原材料が9種類とトップレベルにシンプルなため、アレルゲンが多いワンちゃんは是非一度試してみる価値がありますよ。
ドッグフード工房馬肉
馬肉は低脂肪で高タンパクで、抗原度が低いタンパク源のため、アレルギーがあるワンちゃんに取り入れやすいと言えるでしょう。そんな馬肉をメインに使ったドッグフードも選択肢に入れてはいかがでしょうか。
- 動物性たんぱく質は馬肉
- 原材料が16種類とシンプル
- 人口添加物は不使用
ドッグフード工房馬肉は、馬肉の単一タンパク質で、原材料が少ないため、アレルゲンが多いワンちゃんに選びやすいフードです。
シンプルな分、おからやさつまいも、かぼちゃ、ビール酵母といった天然素材で腸内環境に配慮しています。
馬肉メインでアレルギー対応したい場合におすすめです。
3.トウモロコシアレルギーの場合のドッグフード
トウモロコシにアレルギーがある場合は、同じイネ科に属する米、小麦、ヒエ、アワにも共通のアレルゲンが示唆されているため、注意が必要です。(参考:米、小麦、トウモロコシ、ヒエ、アワの共通アレルゲン性とRice Protein 16KDの関与)
トウモロコシにアレルギーがある場合のドッグフードは、穀物の含まれないグレインフリーのプラペ!がおすすめです。
- 動物性たんぱく質はサーモンを65%使用
- グレインフリー
- 人口添加物は不使用
- 免疫強化に役立つヌクレオチドを配合
- 善玉菌プロバイオティクス配合
- オメガ6脂肪酸:オメガ3脂肪酸=1.2%:2.6%
プラペ!はグレインフリーでシンプルな原材料、腸内環境に配慮された構成、オメガ3脂肪酸・オメガ6脂肪酸が含まれています。
その子によってメインの動物性タンパク質をサーモン、ラムなどから選択できるため、愛犬に合ったメニューを選択してください。
4.食物アレルギーに配慮した手作りフード
食物アレルギーを考慮した手作りフードを与えたいけれど、栄養バランスが心配という方には、手作りのウェットフードがおすすめです。
PETOKOTO FOODS(ペトコトフーズ)
ペトコトフーズは手作りをそのまま届けてくれる人口添加物フリーのウェットフードです。
- 鮮度の高い材料、調理方法
- グレインフリー
- 人口添加物は不使用
- メインの食材は牛肉、鶏肉、豚肉、魚の4種類から選択できる
- フード診断で除外したいアレルゲンを選択できる
ペトコトフーズでは、メインの食材として牛肉、鶏肉、豚肉、魚の4種類があり、フード診断で除外したい食材を選べるため、アレルギーがあっても安心なんです。
使用される食材はシンプルですが、総合栄養食のため栄養バランスも心配ありませんし、フィッシュオイル配合でオメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸も豊富なため、アレルギーのあるワンちゃんにぴったりですよ。
5.アレルギーがある犬のダイエット用ドッグフード
アレルギーがあり、なおかつダイエットもしたいワンちゃんには、プラペ!トラウト&サーモン-シニア(7+)&体重管理用が良いでしょう。
プラペ!トラウト&サーモン-シニア(7+)&体重管理用
プラペ!トラウト&サーモン-シニア(7+)&体重管理用の特徴
- グレインフリー
- 人口添加物フリー
- 厳選されたシンプルな素材
- オリゴ糖
- 345kcal/100gと低カロリー
オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸を含んだ構成で、アレルギー対策に必要な要素を備えているだけでなく、345kcal/100gと低カロリーで、体重が気になるワンちゃんにおすすめです。
体重管理用には、ターキー&クランベリーも選択できるため、愛犬に合わせて選んであげてください。
6.国産の犬用アレルギー対応ドッグフード
ここまでアレルギー対応のドッグフードをご紹介してきましたが、国産のドッグフードを選びたいときには金虎おさかなが良いでしょう。
国産製造のドッグフードでグレインフリー、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸の含有量が開示されているものは私の知る限りないので、金虎おさかなが最もアレルギー対応できるフードだと思います。
金虎おさかな
金虎おさかなの特徴は次のようになります。
- 動物性たんぱく質はマグロとカツオ
- シンプルな原材料
- グレインフリー
- 人口添加物は不使用
- 食物繊維で腸内環境に配慮
- ノンオイルコーティング
- 主要アレルゲンを排除した自社工場で製造
オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸の成分表示がないのですが、魚メインのため、天然DHA、EPAが豊富に含まれています。
魚がアレルゲンで国産のドッグフードを希望する場合はObremo、ポンポンデリなどが良いでしょう。海外製のドッグフードや金虎おさかなより、少し原材料が多くなるため、気になる方は成分表示を確認してみてください。
Obremoはフード診断でアレルゲンを除外指定できるため、使いやすい方もいるかもしれませんね。
ここまでアレルギー対応できるドッグフードをご紹介してきましたが、ドッグフードを色々試しても改善がない場合はどうしたらよいでしょうか。
次に、アレルギーが改善しない場合の対策をお伝えします。
犬のアレルギーが改善しない場合の対策は?
アレルギー対策のドッグフードを色々試しても症状が改善しない場合は、動物病院で相談しましょう。
ただ、ドッグフードを試している段階から飼い主さんにできることがあるんです。
それはドッグフードを変えるとともに日記をつけること。
「ラム肉がメインのフードでは症状が出なかったが、鶏肉がメインのフードではアレルギー症状が出た」など、日記があると食事と症状の関係が分かりやすいです。
ドッグフードの変更によって症状が改善せず、獣医に相談する場合でも、これまでの食事の記録は判断材料になりますよ。
犬のアレルギー対策できるドッグフードに関するQ&A
犬のアレルギー対策できるドッグフードに関するQ&Aをお伝えします。
1.アレルギーがある犬は安いドッグフードではダメ?
安い市販のドッグフードには、不要な添加物が多い、動物性たんぱく質が少ない、穀物が多い場合があります。
安いドッグフードを選ぶ場合は、成分表示をしっかり確認して納得できるものを選んであげてください。
2.大型犬用アレルギー対応フードはある?
大型犬にアレルギー対応フードを与える場合は、粗タンパク質の多さ、粒の大きさ、コスパなども考慮する必要があります。
アレルギー対応フードでご紹介した中で、プラペ!は粒が大きめで、タンパクも多く、コスパも良いため、おすすめです。
犬のアレルギー対策ドッグフード市販のおすすめ-まとめ
犬のアレルギー性皮膚炎には、食物アレルギー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎、ノミアレルギー性皮膚炎があります。
アレルギー用ドッグフードは、人工添加物がなく、単一タンパク質で原材料が公開されており、必須脂肪酸や乳酸菌が配合されているものを選びましょう。
市販のフードの中では、ロイヤルカナンがアレルギー対策として良いですが、原材料にこだわる方にはおすすめできません。
肉類が主成分の場合はアランズナチュラルドッグフードラム、魚が主成分の場合はプラペ!か金虎おさかなを選ぶとよいでしょう。